幸福の観測所

反社会的宗教団体「幸福の科学」の批判を中心としたアンチカルトブログです。

映画『I'M FLASH!』レビュー

以前のブログでも書きましたが、DVD・BDが発売されたので、改めてレビューを書きたいと思います。信者・アンチともにお勧めしたい映画です。レビューと言っても、特にネタバレはありません。
ライフ・イズ・ビューティフル」という架空の新興宗教の教祖を題材とした映画で、教祖様は藤原竜也演じる「吉野ルイ」という名前の29歳の青年で、白スーツがトレードマークで、何やらお袈裟のようなものもつけ、超能力を使えたりするという、どう見ても映画『仏陀再誕』を意識しているよね、という設定になっています。


この辺が教団施設。どうです、「幸福の科学」の「精舎」によく似ているでしょう。
内容的にも、教祖である吉野ルイが白スーツで魂の不滅を説いたり、本を書いたりしています。


これが教団パンフレット。「ラッキーは続かないけど、ハッピーは続けられる」ということで、やはりどことなく「幸福の科学」を連想させるものがあります。
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これはルイの姉のサクラなんですが、見ても分かる通り、顔がかつてのの総裁夫人・きょう子氏そっくりで、弟のルイに対して「バカ!」と口汚く罵ったりと、性格までよく似ています。ちなみに、右に写っているその息子は「タイヨ」という名前です。これも「空野太陽」を意識しているのではないかとも思われます。
この映画を制作した豊田利晃監督は、よく新興宗教について研究されていると思いました。「幸福の科学」に限らず、巷の新興宗教にはよく当て嵌るのではないでしょうか。
手元にはパンフレットがあり、その中の監督インタビューがあるのですが、そこから豊田監督の言葉を一部抜粋します。

クリシュナムルティという南インド生まれの宗教家がいました。神智学協会は、彼を長とする“星の教団”を設立しますが、真理は権威者や宗教団体を必要としないとする彼は、勝手に教団を解散してしまいます。その後、彼はアメリカ西海岸のヒッピームーブメントにインパクトを与えます。『I'M FLASH!』には、クリシュナムルティの影響があります。彼は、神もなにもかも、すべては自分の中にあり、自分を変容させなければ何も変わらないと説きました。変容すべきは、明日ではない、今だ、と。それは、僕が“I'M FLASH!”という言葉によって直感したことと同じでした。“I'M FLASH!”という言葉は神が言っているみたいに聞こえる。神は誰の中にもいる。そう感じました。

とのこと。
教祖役の藤原竜也もかっこいいし、そのボディーガードの「新野風」役の松田龍平も妙に恰好良かったです。台詞回しとかモノローグとかも良く、私が今回見て特に心に残ったのは、二ヶ所あります。
一つ目は、教団幹部の吉村(板尾)と新野との会話。

吉村「よかったら、セミナーに参加しませんか?特別に無料で受講させてあげますよ。若い女の子もいっぱい来るから出会いもあるかもしれませんよ、ハハハ」
新野「はあ……」
吉村「懺悔したいこともいっぱいあるでしょうしね。人の生き死にももうちょっと楽に考えられるようになりますよ」
新野「楽に考えないでいいんじゃないですか?」

云々。それから、ルイと新野の会話。

ルイ「おまえ、そんなに人を傍観していて人生楽しいか?」
新野「人生って楽しいもんなんですかね?」

という所。
こういう新野みたいな態度であれば、カルトには引っかからないのだろうと思った。
逆に、今以上に楽な生き方とか、楽しい場所がある、という風に思ってしまうと、カルトの説く甘い囁きに乗ってしまい、徐々にマインドコントロールされ、却って人生そのものを狂わせてしまう結果になるのだと思う。

平凡に生きられることの有難さ

映画の内容とは直接には関係ない話になりますが、「幸福の科学」を退会してつくづく思うのは、平凡に生きられることの有難さです。一般の人のことを「真理を知らない」等と思って見下す気持ちがあった信者時代とは違い、人を人として尊重し、普通に人の中で人と交わって生きられることが、私には有難く感じられます。
こう言っても、きっと、信者の皆さんには理解できないのでしょうね。「やはり、あいつは退転しただけなのだ」という風にしか思われないことでしょう。
少し前にも「きづな - 幸福の観測所」という記事を書きましたが、私が今、一番大事にしたいと思っているのは、人と人との絆です。それは、お金では買えないし、他の人と替わることができない、自分だけの宝物でもあると思います。「幸福の科学」の教えは、人と人との絆を断ち切るものです。それが「幸福の科学」を始めとするカルト宗教の最も悪い弊害だと私は思います。