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幸福の観測所

反社会的宗教団体「幸福の科学」の批判を中心としたアンチカルトブログです。

映画『一枚のハガキ』感想

新藤兼人監督作品を初めて観たのは、2008年の『石内尋常高等小学校 花は散れども』だった。96歳の人が作った作品とは思えないぐらい良かったのを覚えている。人によって好き嫌いはありそうな作品だとは思ったけれど、個人的にはストライクゾーンど真ん中だった。
その次に制作されたのが『一枚のハガキ』で、2011年に公開された作品であり、結果的に遺作になった作品でもある。映画館では見逃してしまい、最近ふと思い出したので、DVDを購入して観た。
実際に戦争を経験し、更にその後も生き抜いてきた人ならではの実感のこもったものだと思った。戦争の悲惨さが伝わってきた。悲惨さと言っても、この映画で描かれているのは、戦争の現場そのものではなく、その周辺に起こる悲しみの方である。今の日本があるのも、こういう悲しいことが日本国中で起き、更にそれを逞しく乗り越えてきたからなんだなあと思った。平和の有難みをしみじみと感じた。
前回に引き続き主演だった大竹しのぶの演技が素晴らしかった。豊川悦司もいい味を出していた。
戦争が終わって復員して何年かした後、豊川悦司が「戦争はまだ終わっちゃおらんぞ!」と叫ぶシーンがあるのだが、現在もなお、戦争はまだ終わっていないとも言えるのかも知れない。戦争によって引き起こされた悲しみや、それに付随して発生した人々の心の歪みは、親から子へと代々伝わって、まだまだ社会の中に残っているように思う。
反戦・非核・平和主義というのは、大きな戦争を経験した日本人として当然のスタンスだろう。政治的に、防衛のためのある程度の軍隊が必要というのは仕方ないとしても、戦争の悲惨さは、やはり、語り継いでいかねばならないと思う。
その意味で、反戦・平和主義者を「左翼」とか言ってただバカにして切って捨てるような自称保守派たちのスタンスはどうかと思う。戦争の悲惨さを全て了解した上で言っているなら兎も角、そうとも思われない。「愛国心」という名の自尊心を煽られて、戦争を正当化し、実体験を元にしない机上の空論ばかりがまかり通る。こういう映画は、自称保守派(所謂「ネトウヨ」)の人たちこそ観るべきものであると思う。
あと、若者向けのアニメやゲーム等で、好戦的な内容が多いのも気になる。単に商売のために人々の欲望(闘争本能)に訴えかけているのみで、戦争を美化しているとしか思われないものが多数ある。
人間社会の中で、闘いや争いというものは、これからもずっと残っていくものなのだろうか。私はそうは思わない。現実は兎も角として、私は、争いのない、愛に満ちた平和な社会を理想社会と考えます。そういう世界が到来することを目指して努力することを、一生の目標としたいと思います。