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幸福の観測所

反社会的宗教団体「幸福の科学」の批判を中心としたアンチカルトブログです。

千眼美子『全部、言っちゃうね。』に見る、他の2世信者との共通項

清水富美加「出家」事件 二世信者

感想文を書きたいところだけど、読んでいないし買うつもりもないので、報道で漏れ伝わってくる内容に対する感想を書いていきます。

自殺したくなる2世信者の実例がまた一つふえた

第2章「死にたかった7年、死ななかった7年。」において、自殺未遂の過去を衝撃告白。16歳の誕生日には「死のうとしてガムテープを口と鼻に貼ったんです」。高校2年の夏頃までは、いつでも死ねるように部屋の引き出しに大きなカッターを入れていた。ある日、腕を切りつけ「その時の傷は今も右手首に残っています」と打ち明けた。

2世信者の自殺未遂の話、以前にも紹介したことがありますね*1
もう一度引用しますと、

毎日「どうやって死のうか」「窓から飛び降りたらどうなるんだろう」「壁に何回手をぶつけたら骨は砕けるんだろう」などとくだらないことばかり考え、リストカットをしたりもしました。

2世信者(現役)の告白です。これを嬉々として取り上げる教団もどうかと思います。これが恥ずかしいことだという認識はないものなのか。なぜ信者家庭の子供が自殺未遂に走るのか。普通の幸福な家庭に育った子供は自殺未遂を繰り返したりなんかしないんですよ?
幸福の科学」信者である筈の父親に不幸が起きるというのも共通しています(Voiceeで取り上げられているのは病気、清水氏の場合は事業の失敗)。どうして「幸福の科学」信者は病気になったり事業に失敗したりするんでしょうか。不思議ですねえ……。
さて、自殺したくなった原因(及び今回の「出家」の原因)を芸能活動やそれを強要した事務所のせいにしているようですが、嫌なら何故辞めなかったのか。事務所がおかしいと思うなら事務所を移籍することもできただろうし、そんな自殺未遂するぐらい仕事が嫌ならその時に辞めればよかった。事業に失敗した父親を支えるために無理をして頑張っていたとしたら、恨むべきは事務所ではなく、父親の方なのではないでしょうか。
当時は実家に暮らしていたそうで*2、一般的に言って、実家で自殺未遂するということは、第一発見者である家族に対する「自分にもっと注目して欲しい、もっと私のことを愛して欲しい」というメッセージと考えるのが普通なのではないでしょうか。
2世信者マインドコントロールの仕組み端的に言うと、

  • 苦しみ→教団による救い→教団に対する信仰を深める……

ということです。もう少し正確に言うと、

  • 本当は教団が原因で苦しんでいるのに、外部要因で苦しんでいるのだとすり替えて認識させる→教団によって救われたと思わせる→教団に依存させる……

ということです。この繰り返しで、2世信者へのマインドコントロールは深まっていきます。
「悪霊が云々」ということも言っています。悪霊だの宇宙人だの、そういうオカルト的なことをまことしやかに言って信者の恐怖心を煽るのは、典型的なカルト宗教ですね。

統合失調症の実例も一つ増えた

同書では清水の病状についても触れられている。それによると、出家直前は夢と現実の区別がつかず、頭も体も痛く「死にたい」という願望にとらわれていた。出家を決めた後も、どこからともなく声が聞こえ、教団関係者に「私、なんか憑いてます?」と確認。全身のけいれんや体中の痛み、“見えない何か”に対する恐怖からトイレにも1人で行けない日々が続いたという。
清水はそれを「極度の憑依状態」と表現している。その結果、医師から絶対安静と「いまのような仕事を続けてはいけない」と診断された。過去には役作りにのめり込むあまり、悪霊に憑依され、無意識のうちに「われわれはお前たちを絶対に許さない!」と言い続けていたこともあったという。

「夢と現実の区別がつかず」とか「どこからともなく声が聞こえ」とか、どう見ても統合失調症です。まあ、これなら、即入院レベルだというのは理解できます。
少しだけ細かい所に突っ込んでおくと、「教団関係者に『私、なんか憑いてます?』と確認。」という辺りは、信者時代を振り返るとよく理解できます。私も信者時代は、教祖以下、職員(出家者)というのは全員霊能者で、守護霊や天使や悪霊が見えているのだ、と思っていました。でも、そういうのは全部ウソだということが分かりました。
さて、そういえば、祖父母を殺害した2世信者の少年にも統合失調症の症状が見られましたね*3
こういうのは、「極度の憑依状態」などではありません。統合失調症という、単なる脳の異常です。「幸福の科学」というカルト宗教を始め、このようにオカルトを肯定する教え(考え)というのは、得てして統合失調症の状態を間違って解釈し、余計に症状を進行させてしまったりするものです。
しかし、可哀想に、彼女は既に「幸福の科学」のオカルト思想に染まってしまっており、その枠の中で考えることしかできなくなっています。私もこういう「霊的人生観」とかからの脱マインドコントロールには苦労しました。彼女がこちら側の世界に戻ってくるのには、まだまだ相当の時間と苦しみがあることでしょう。一生戻ってこられない人もいるので、諦めるより他ないのかも知れません。
いちおう、過去の参考記事はこちら。

どうか、一人でも多くの方がこの種のオカルト思想から脱して、正常な思考力と判断力を取り戻すことができますように。

「あとがき」に見る信者らしさ

さらに後書きには「死にかかっていたところを助けて下さったのは幸福の科学の皆様、そして人は永遠の生命を生きているという教えでした。この教えの下で生きたら、きっともっと沢山の人が幸福になっていくと思った今、ひろめずにはいられません」「お世話になった皆様には、悲しませてしまった皆様には、必ずや倍にして恩返しすることを約束します。ぜひまた、次は千眼美子として皆様にお会いできることを心より願っております」などとつづっています。

前回の記事で「信者っぽくない」と書いたのですが、これは信者っぽいです。独善的で、空理空論を唱えている辺りがとても。
元2世信者でアンチブログを運営している身としては、私も悲しいです。私も「悲しませてしまった皆様」の一人にカウントされるのであれば、私にとって「倍にして恩返し」というのは、数年後に脱会し、大川隆法と教団の暴露本を出してくれることですね。

大川隆法のことかと思った

休みがなかった上に、給料は5万円で源泉徴収を引かれると、手元に残るのは4万5000円ほど。「どんどん社長への怒りがたまっていきました」と、当時を振り返った。
自身は食事もままならず、交通費も最低限しか支給されないため何駅分も歩くことも。「その間に社長はどんなにうまいものを食べてどんな車に乗っているんだろうと思うと、どうしても社長への恨みが止まらなくなってしまいました」と当時の思いを記した。

まるで「幸福の科学」信者と大川隆法の関係のようです。下々の人たちがどれだけ苦労して教団のために時間もお金も注ぎ込んでいるのかを全く知らずに、何千万もする腕時計を自慢したり、長男は高級車を乗り回して自慢したり。
清水さん、よく観察して見て下さいよ。その「殺したい」と思った社長と、大川隆法の顔は、全く同じ種類の顔ではないですか?よく耳をすませて下さい。「幸福の科学」信者・元信者の大川隆法に対する怨嗟の声は聞こえませんか?今回の件で分かったように、大川隆法は多くの人を苦しめている存在です。清水さんを助けたのではなく、甘い言葉で誘惑して、清水さんの評価を地に落とし、社会と断絶させ、更なる地獄に突き落としただけです。「地獄への道は善意で舗装されている」というのも大川隆法が好んで使う言葉ですが、この場合は当て嵌まらないとお考えでしょうか?


どうか、彼女が本当に救われる日が来ますように。
誰かや何かに依存して一時期「救われた!」と思っても、それは本当の救いではありません。依存心を捨て、意志を強くして、自分の力で立とうと決意してこそ、心の平和や安定が訪れるものです。

おまけ:鈴木エイトさんの解説

直接読んだカルト専門家の方の感想です。参考になります。

ふむふむ。
そもそもこの本は教団側が編集したものですし、教団にとって都合の悪い部分は当然カットされていることでしょう。それでもやはり、マインドコントロールの様子が窺えるということは、教団はこの手法を「マインドコントロール」なんて思ってない、ちっとも悪いと思っていないということでしょうね。最初に紹介したVoiceeの人の場合と同じですわ。